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おねしょ(夜尿症)

保護者の方より、お子さまのおねしょがなかなか治らないという相談を受けることがあります。
当院では、原因を把握し、お子さまに合わせた治療をご提案しています。

 

○おねしょと夜尿症の違い
おねしょ…乳幼児期の夜尿のこと
夜尿症…5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くこと

○夜尿症の主な原因
1)寝ている間に作られる尿の量が多い
2)膀胱が小さくて尿をためられない
3)膀胱が尿であふれそうになっても起きられない

○夜尿症のあるお子さまの数
アレルギー疾患に次いで2番目に多い小児の慢性疾患といわれています。
日本の小中学生を含む5歳から15歳の約80万人(推定)に夜尿症があると考えられています。

○夜尿症がお子さまに与える影響とは
夜尿症はお子さまの自尊心を低下させたり、自信をなくしたり、学校生活や友人関係に影響を与えてしまうことがあります。そのため、モチベーションを保てるように周囲が協力することも必要です。

○夜尿症は自然治癒するのか
一般的には成長とともに自然治癒します。

○夜尿症の治療方法
1)生活改善
■早寝、早起きをし、規則正しい生活をする
■水分の摂取方法に気をつける
■塩分を控える
■便秘に気をつける
■寝る前にトイレに行く
■寝ている時の寒さ(冷え)から守る
■夜中、無理にトイレに起こさない

2)薬物療法
■尿の量を調整する働きをもつ薬
■膀胱の収縮を抑える働きをもつ薬

3)アラーム療法
■夜尿を本人に気づかせて、寝ている間にためられる尿の量を増やし、夜尿回数を減らしていく方法
■毎日実践する必要があるため、本人のモチベーションと保護者様の協力が必要

○治療をする時に気をつけること
夜尿症はお子さまの性格や、ご家族の育て方などとは関係がありません。
大切なのは「あせらない、怒らない、比べない、ほめる」ことです。おねしょをしたいお子さまはいません。もし、おねしょをしてしまっても、お子さまを怒ったり、兄弟と比べたりしないであげてください。約束を守れた時や、おねしょがなかった日にはしっかりとほめてあげてください。
あくまでも治療の中心はお子さまです。
本人の意欲と、保護者様の協力が夜尿症卒業には必要です。

 

夜尿症は命に関わることではないですが、適切な治療をすることで、早期に治せる可能性があります。
お子さま本人の気持ちも確認しながら治療を行いたいと考えています。

医師 山路 和孝

エンゼルこどもクリニック 院長


  • 医学博士 / 日本小児科学会 小児科専門医 / 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 / 日本血液学会 血液専門医
  • 【所属学会】日本小児アレルギー学会 / 日本小児血液・がん学会 / 日本夜尿症学会 / 日本小児耳鼻咽喉科学会 など

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